農業の魅力って何?
食と農
農業への関心が高まっています。
農業とは、食料を生産する産業で、安心で安全なものを食べて、健康で暮らしたいと多くの人が思っています。
農業は、食と健康に関わる産業として注目を集めているのです。
自然と環境
農業が営まれることによって、田んぼや畑、そして牧草地が広がっている農村の景色が作り出されているのです。
田んぼが貯水と保水能力があるように、農業は水と環境を守っているのです。
このような環境を守る機能があることも農業が注目を集めているのです。
農業は生命産業
農業生産とは、食物や生き物の持つ生命力や成長力により成り立っています。
例えば、トマトやキュウリの種をまくと芽が出て、花がさき、実が成り、と育っていきます。
収穫できると、「汗水たらして働いたことが報われた思いがして喜びがある」というように、農業とは、生命に関わりながら働く仕事だと言えるでしょう。
農業は事業・ビジネス
農業とは、農産物を作り商品として販売する、それはひとつの事業・ビジネスです。
ということは、農業生産者とは、規模にかかわらず商品生産者であり、経営者にもなれるということなのです。
農産物を作るだけではなく、どうやって販売していくかを考えたり、さらには加工して付加価値をつけて売ることも考えることができます。
そして、効率的投資も考える必要もあります。
農業経営は、常に創意工夫が必要な総合的能力を試される仕事です。
多面的な魅力がある
農業を始めた人達の動機や理由は、農業には多面的な魅力があることへの関心からです。
わかりやすくいうと、自然や環境、食の安全、経営の魅力があることから初めているのです。
瀬戸内海の離島に移り住んで、野菜やレモンを作っている若い夫婦は、「海に囲まれた豊かな自然の中で、生命の源である食物をつくれること、自分たちの労働によち作り出される野菜やレモンは美味しいこと、美味しくて健康で安心な食べ物をたくさんの人達に食べてほしいから、ここで農業をしていきたい」と言っています。
農業をはじめた理由とは
農業志望者は増加している
増加する農業をやりたいと思っている人たちのために、東京の虎の門に全国センターと呼ばれている新規就農相談センターという相談窓口があります。
そして、47都道府県ごとに、都道府県センターがあります。
こういった窓口を利用した相談者の数は、年間で約1万人もの人がいるようです。
また、全国新規就農相談センターのホームページのアクセス数は、年間で約70万件にもなっているのです。
相談窓口を利用する理由
相談窓口を利用する人の理由とは
- 42%の人は「本格的に農業に取り組みたい」
- 11%の人が「田舎暮らしをしたい」
- 9%の人が「農業を体験したい」
- 8%の人が、「有機農業をやりたい」
ということです。
注目することは、そのうち21%の人が「農業法人に就職したい」という人がいることです。
最近では、農業生産をしている会社のような農業法人に就職して、「農業の仕事に就きたい」と考えている若者が増えているようです。
農業をはじめた理由とは
もう少し詳しくなぜ農業をはじめたのかをみてみると、20〜22%をしめる最も多い理由は、「農業が好きだから」「自然や動物が好きだから」「農村の生活が好きだから」といったような自然志向の理由です。
そして、15〜17%は、「食べものの品質や安全性」「有機農業の興味・関心があったから」といったような安全・健康志向の理由です。
さらに、「家族で一緒にできる」「時間が自由」「子育てに環境がよい」といったような、家族のことや自由な暮らしを思っている人もいるようです。
また、経営志向では、21%が「自ら経営の采配を振れる」、14%が「努力の成果が直接見える」、8%が「農業はやり方次第でもうかる」というような、農業経営に対する魅力を感じて始めた人もいます。
「サラリーマンにむいていない」「都会生活が嫌になった」というような消極的な理由は少ないようです。
つまり、農業や農村を目指す積極的な理由がなければ、新たに農業をはじめても長続きしないと言えるようです。
農業をやってよかった理由
農業をはじめた人たちに聞くと、本当に初めてよかったと答えてくれます。
特に、都会から農村に移り住んで始めた人ほど「農業をはじめてよかった」と思っているようです。
そういった農業への新規参入者の人たちは、農地探しや技術研修、住まい探しには苦労もあったようです。
しかし、農業にはそういったことを帳消しにしてくれる魅力があるのです。
はじめは相談と情報収集から
相談窓口の利用
農業をはじめたいといっても、はじめは何からはじめたらいいのかわかりません。
そういった人たちのために、「新規就農相談センター」があります。
こういった相談窓口を上手に利用するとよいでしょう。
相談するコツ
農業をやりたい理由は人それぞれです。
- 田舎暮らしをやりたいと思っている人
- 農業の体験をしてみたい人
- 有機農業に取り組みたい人
- 農業経営を本格的にやりたい人
- 農業法人で農業の仕事に就きたい人
相談窓口を上手く利用するコツは、自分の方向性を明確にしておくことです。
例えば、将来的に農業を本格的にやりたいと考えていても、農業経験がないのであれば、まずは農業を経験することが必要になるといったように、自分のやりたいことと当面やらなければいけないことを明確にして、当面やりたいことを相談するとよいでしょう。
新規就農フェアに参加
「新・農業人フェア」という新規就農者のための催しが、全国新規就農相談センターによって、年に何度か東京と大阪で開催されています。
こういった催しでは、新規就農者を受け入れている都道府県や市町村と求人をしている農業法人が出展しています。
そこで、こういった催しに参加して相談したり、情報を集めることも方法のひとつです。
ホームページの利用
全国新規就農センターのホームページは、新規就農関連の情報や農業法人の求人情報が多数掲載されているので、情報収集にはもってこいです。
また、農事法人に就職したい人は、全国新規就農センターのホームページとハローワークのホームページがリンクしているので利用してみてはいかがでしょうか。
相談窓口にも情報がある
農山村で暮らしたいという人には、NPO法人ふるさと回帰支援センター、むらまち交流きこうふるさとデータベースのホームページを利用するとよいでしょう。
こういった相談窓口には、農業をはじめたい、農山村で暮らしたいといった人に役立つ情報があります。
ですから、何からはじめたらいいのかわからないといった人は、相談窓口を訪ねて情報を集めるとよいでしょう。
田舎暮らしと農業体験の方法とは
「田舎暮らし」情報を利用する
田舎暮らしをするための情報が、なかなか少ないものです。
そこで各県庁などにある、定住のための相談コーナーや「ふるさとデータベース」全国の市町村の情報が集められています。
「NPOふるさと回帰支援センター」は、道府県や市町村が会員となり組織されています。
そして、「100万人ふるさと」といった情報誌やホームページによって情報を発信しています。
また、農業や農村体験のイベントなども開催しているので、参加すると役にたつかもしれません。
滞在型市民農園を利用する
全国でいくつかの市町村では、滞在型の市民農園を開設しています。
こういったものを利用して、まずは地域の気候風土などをしってから始めるのも方法のひとつです。
また、最近では、農業や農村体験ができるグリーン・ツーリズムも整備されていますので、そちらを利用するのもよいでしょう。
農業体験をするには
農業体験をするには、観光農園といったような収穫体験ができる農園で体験することも可能です。
そして、農業のすべてを体験するには、市民農園などで作物を自分で作って育ててみることです。
市民農園については、市町村や農協に問い合わせてみるとよいでしょう。
また、最近では、農家による体験農園も開設されていて、プロの農家に作物の栽培方法を教えてもらいながら農業体験をするといった方法もあります。
農業を職業にするには
農業を職業にするには、
- 「農業を自ら経営して営む」
- 「農業法人に従業員として就職する」
という2つの方法があります。
農業を自営するには
農業を本格的に自営するのは、最低でも2〜3年は必要です。
新規就農の相談窓口で情報を集めて、農業をはじめる準備をすることが必要です。
また、会社勤めをしながら農業をはじめる準備をするには、就農準備校で学ぶということもできます。
農業を本格的に始めるまでに、国の支援借置、道府県や市町村の支援処置があります。
こういった支援処置を利用することで、農業技術の習得や農地や住まいを確保することをスムーズにすることができます。
農業法人に就職する
全国新規就農センターは、日本農業法人協会とタイアップしており、農業法人の求人や研修情報が揃えられています。
また、新規就農フェアは、求人募集を行っている農業法人が出展しています。
さらに、酪農への就職は、酪農ヘルパー全国協会に相談してみるとよいでしょう。
2003年から農林水産省の就農促進対策と厚生労働省の労働行政は連携しており、都道府県のハローワークに最低1カ所は就農等支援コーナーが設置されて求人情報が収集できるようになっています。
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